- 面会の頻度に正解はない
- 最初のうちは少しこまめに顔を見せると嬉しい
- 無理して頑張らない
- ご利用者によってちょうどいい頻度は変わる
- 安心できる時間にする
- 面会以外でのかかわり
- 帰りたいといわれても、自分を責める必要はない
- 職員に様子を聞く
- かかわりを続ける
- まとめ
家族が特養に入所すると、意外と悩むのが面会の頻度です。
「どれくらい会いに行くのが普通なんだろう」
「頻繁に行ったほうがいいのかな」
「逆に行きすぎると本人が帰りたくなってしまうのかな」
そんなふうに迷うご家族は多いと思います。
入所後は、家で介護していた頃とは関わり方が変わるので、どのくらいの距離感がいいのか悩みやすいです。
でも、結論から言うと、面会に「これが正解」という回数はありません。
大切なのは、回数だけではなく、本人の状態や家族の生活に合った形で、無理なく続けられることです。
この記事では、入所後に家族はどれくらい会いに行くべきかを、現役介護士の目線でわかりやすくお伝えします。
面会の頻度に正解はない
まずお伝えしたいのは、面会の頻度に「週に何回が正しい」という決まりはないということです。
毎週来るご家族もいれば、月に数回のご家族もいますし、仕事や距離の関係でなかなか来られない方もいます。
どの形が良いかは、本人の状態や性格、入所して間もないのか、生活に慣れてきているのか、ご家族の生活状況などによって変わります。
だからこそ、ほかの家族と比べて「うちは少ないかもしれない」と必要以上に自分を責めなくて大丈夫です。
現場で見ていても、頻度の多さだけで本人の安心が決まるわけではありません。
大事なのは、来たときにどんな関わり方をしているか、そしてそれが無理なく続けられるかだと感じます。
最初のうちは少しこまめに顔を見せると嬉しい
入所したばかりの時期は、本人も環境の変化に戸惑いやすいです。
家とは違う場所で暮らし始めること自体が、大きな負担になることもあります。
そのため、最初のうちは、できる範囲で少しこまめに顔を見せてもらえると安心しやすいことがあります。
「知っている人が来てくれた」
「見捨てられたわけではない」
と感じられることは、入所直後の不安をやわらげる助けになります。
特に、入所してすぐは「帰りたい」と訴えたり、不安定な表情が増えたりする方もいます。
そういう時期に、家族の顔を見ることで少し落ち着く方も少なくありません。
もちろん、毎日のように行かなければいけないわけではありません。
ただ、可能であれば最初の時期は少し意識して顔を見せることで、本人が新しい生活に慣れていく支えになることがあります。
無理して頑張らない
面会の頻度を考えるとき、ご家族ほど「ちゃんと行かなきゃ」と自分を追い込みやすいです。
でも、無理をして頑張りすぎると、そのうち面会そのものが負担になってしまいます。
仕事がある方、子育てや家のことがある方、遠方から通う方もいます。
そうした生活の中で、毎週必ず長時間面会することが難しい場合も当然あります。
それは冷たいことではありません。
介護は、入所したら終わりではなく、関わり方が変わって続いていくものです。
だからこそ、最初だけ頑張りすぎて続かなくなるよりも、無理のない形で長く関わっていけるほうが大切です。
現場で見ていても、短い時間でも定期的に来てくださるご家族は、本人にとって安心感につながっていることが多いです。
回数を競う必要はなく、続けられる形を見つけることが大事だと思います。
ご利用者によってちょうどいい頻度は変わる
面会の頻度は、本人によって合う形が違います。
家族が来ると表情が明るくなって落ち着く方もいれば、面会のあとに寂しさが強くなって「一緒に帰りたい」という気持ちが強くなる方もいます。
また、認知症のある方の場合は、その場では喜ばれていても、面会が終わったあとに不安が強まることもあります。
逆に、家族が来ることで安心して、その後の生活が落ち着く方もいます。
つまり、面会が多いほどよい、少ないほうがよい、と一律には言えません。
大切なのは、面会のあとに本人がどんな様子になるのかを見ながら、その人に合った関わり方を考えていくことです。
もし迷うときは、職員に普段の様子を聞いてみるのもひとつです。
「面会のあと、落ち着いていますか」
「どのくらいの間隔だと安心して過ごせそうですか」
と相談してみると、見えやすくなることがあります。
安心できる時間にする
面会というと、長くいなければいけないように感じる方もいます。
でも実際には、長時間いることよりも、本人にとって安心できる時間になることのほうが大切です。
短い時間でも、顔を見せて、声をかけて、穏やかに過ごせれば、それだけで十分意味があります。
反対に、長くいても本人が疲れてしまったり、家族が無理をしていたりすると、お互いにしんどくなることもあります。
現場で見ていても、10分から15分ほどの面会でも、表情がやわらいだり、気持ちが落ち着いたりする方は多いです。
大事なのは長さではなく、本人が「会えてよかった」と感じられることだと思います。
面会以外でのかかわり
どうしても頻繁に行けない場合もあります。
距離や仕事、体調など、いろいろな事情があるのは当然です。
そういうときは、「会いに行けないなら何もできない」と考えなくて大丈夫です。
職員に様子を聞いたり、必要なものを届けたり、電話やオンライン面会の仕組みがあれば利用したり、別の形で関わることもできます。
また、本人の好きなものや安心できる話題を職員に伝えておくことも、日々の関わりの助けになります。
直接会う回数だけが、家族としての関わりではありません。
現場でも、遠方のご家族がこまめに連絡をくださることで、職員と一緒に本人を支えていると感じることがあります。
面会が少ないことだけで、家族の思いが薄いとはまったく思いません。
帰りたいといわれても、自分を責める必要はない
ご家族が悩みやすいのが、面会のたびに
「家に帰りたい」
「連れて帰って」
と言われることです。
そう言われると、会いに行くたびにつらくなってしまう方もいます。
でも、その言葉だけで「面会に行かないほうがいい」と決めなくて大丈夫です。
寂しさや不安、その場の気持ちからそうした言葉が出ることは少なくありません。
大切なのは、その言葉を全部まともに背負ってしまうことではなく、本人が何に不安を感じているのか、面会のあとにどう過ごしているのかを見ながら考えることです。
場合によっては、面会時間や関わり方を少し工夫することで、気持ちの揺れが少なくなることもあります。
ご家族がつらい気持ちになるのは、それだけ大切に思っているからです。
だからこそ、ひとりで抱え込まず、職員に相談しながら考えていけるとよいと思います。
職員に様子を聞く
面会の頻度に迷ったときは、家族だけで考えるより、施設の職員にも相談してみるのがおすすめです。
普段の本人の様子を見ている職員だからこそ、見えていることがあります。
たとえば、
「最近は落ち着いて過ごせています」
「面会のあと少し不安定になりますが、しばらくすると落ち着いています」
「もう少しこまめに顔を見せてもらえると安心につながりそうです」
といったことがわかると、面会のペースを考えやすくなります。
特養は、家族と施設が一緒に本人の生活を支えていく場所です。
面会の頻度も、最初から完璧に決めるものではなく、様子を見ながら調整していけば大丈夫です。
かかわりを続ける
入所後の面会でいちばん大事なのは、回数そのものより、家族とのつながりが続いていくことだと感じます。
頻繁に会いに行けなくても、無理のない形で関わり続けていくことには大きな意味があります。
本人にとっては、家族が自分のことを気にかけてくれていると感じられることが安心につながります。
それは毎週でなくても、毎日でなくても、十分伝わることがあります。
現役介護士として感じるのは、面会の正解は「多いか少ないか」ではなく、本人と家族が無理なくつながっていられる形かどうかだということです。
まとめ
入所後、家族はどれくらい会いに行くべきかに、決まった正解はありません。
最初のうちは少しこまめに顔を見せることで安心につながることもありますが、その後は本人の状態や家族の生活に合わせて、無理なく続けられる形を考えることが大切です。
また、面会は長くいることよりも、安心できる時間になることのほうが大事です。
面会のあとに本人がどう過ごしているかを見ながら、必要があれば職員と相談して調整していくとよいと思います。
頻繁に会いに行けない場合でも、連絡を取ったり、必要なものを届けたり、別の形で関わることはできます。
回数だけで家族の思いが決まるわけではありません。
現役介護士として感じるのは、面会でいちばん大切なのは、本人が安心できること、そして家族が無理なく関わりを続けられることです。
頑張りすぎる必要はありません。
そのご家庭に合った形で、つながりを続けていけることが何より大切だと思います。