介護士の日常

ご利用者のよくある悩みと職員の現実を綴ります

介護士1年目が最初につまずきやすいこと 現役介護士目線でお伝えします

 

介護士として働き始めたばかりの頃は、覚えることが本当に多いです。
利用者さんの名前や状態を覚えるだけでも大変なのに、食事介助、排泄介助、移乗、記録、先輩への報告まで、一気にいろいろなことが押し寄せてきます。

働く前は、介護の仕事は大変だけどやりがいがある仕事、というイメージを持っていた人も多いと思います。
もちろんそれはその通りです。
でも実際に現場に入ると、大変さは想像以上で、最初のうちは思うように動けないことも多いです。

しかも、つまずくのは技術だけではありません。
利用者さんとの距離感、先輩との関わり方、自分の不器用さへの落ち込み、忙しさの中での焦り。1年目ならではのしんどさがあります。

この記事では、介護士1年目が最初につまずきやすいことを、現場でよく見る場面に沿ってわかりやすくお伝えします。

介助以外の仕事が意外と多い

介護の仕事に入る前は、食事介助や入浴介助のような目立つ場面を想像しやすいです。
でも実際には、それ以外の仕事がかなり多いです。

声かけ、見守り、移動の介助、環境整備、記録、申し送り、他職種とのやり取り。
ひとつの介助をしたら終わりではなく、その前後にやることがたくさんあります。

1年目は、ひとつの仕事を覚えるだけで精一杯になりやすいです。
その状態で次々に別の仕事が重なるので、頭の中がいっぱいになります。

自分では動いているつもりなのに、先輩から見ると遅いと感じられることもあります。
ここで、自分は介護に向いていないのかもしれないと落ち込む人も多いです。
でも実際には、最初はみんな仕事量の多さに圧倒されます。

先輩もそれをわかっているはずなので落ち着いて業務をこなしましょう。

優先順位がわからない

1年目は、介助のやり方そのものよりも、何を先にやるべきかで迷うことが多いです。
これがかなり大きなつまずきです。

ナースコールが鳴っている。
別の利用者さんは立ち上がりそう。
記録もまだ終わっていない。
先輩からは次の仕事を頼まれる。
こういう場面が普通にあります。

新人はまじめな人ほど、全部ちゃんとやろうとしてしまいます。
でも現場では、全部を同じ重さで抱えると動けなくなります。
今いちばん優先するべきことは何かを考える力が必要になります。

1年目は、この優先順位の判断がまだ難しいです。
だから焦りますし、頭が真っ白になることもあります。
介護はやさしさだけでできる仕事ではなく、落ち着いて順番を決める力も必要だと、ここで初めて実感する人が多いです。

まずはご利用者様の安全を第一に優先順位を作っていきましょう

利用者との関わり

1年目は、利用者さんにどう接すればよいのかでもよく悩みます。
やさしくしたい気持ちはあるのに、距離感がわからないのです。

どこまで話しかけてよいのか。
なれなれしくないほうがよいのか。
認知症の方が同じ話を何度もするとき、どう返すのがよいのか。
不機嫌そうな方に声をかけるべきかどうか。
こうした迷いは本当によくあります。

介助の手順にはある程度の正解がありますが、人との関わりにはすぐに正解が見えません。
だから1年目は、介助より会話のほうが難しいと感じることもあります。

特に、自分がかけた言葉で利用者さんの表情が曇ったときはかなり落ち込みます。
でも、ここは経験の積み重ねが大きい部分です。
めげずにコミュニケーションを続けましょう。

失敗を引きずる

介護の仕事は、人を相手にする仕事です。
だから失敗したときの重さが大きく感じやすいです。

声かけがきつくなってしまった。
うまく移乗できなかった。
トイレ介助が間に合わなかった。
記録を忘れた。
そうしたことがあると、1年目はかなり引きずります。

しかも、次の業務は待ってくれません。
落ち込んでいる間にも仕事は続くので、気持ちを整理できないまま動かなければいけないことがあります。

ここで、自分は向いていないのではないかと考えやすいです。
でも実際には、失敗して落ち込むこと自体は珍しくありません。
大切なのは、失敗しないことより、次に同じことを繰り返さないようにどう考えるかです。

記録と申し送り

介助そのものはイメージできても、記録や申し送りでつまずく1年目は多いです。
これはかなりよくあります。

何を書けばよいのかわからない。
どこまで書けばよいのかわからない。
先輩の申し送りは簡潔なのに、自分は話が長くなる。
逆に短すぎて必要なことが抜ける。
こうした悩みが出やすいです。

1年目は、目の前の介助に意識が向きやすいため、何が重要な変化なのかをまだ選びきれません。
だから記録も申し送りも難しく感じます。

でも、介護はチームでつなぐ仕事なので、ここは避けて通れません。
介助ができるだけでは足りず、その情報をどう残してどう伝えるかも大事です。
1年目でここにつまずくのは自然なことですが、ここを越えると現場の見え方がかなり変わります。

気になったことはとにかく記録すれば間違えであったとしても問題ありません。

一番ダメなのは失敗を恐れて記録をしないことです。積極的に記録していきましょう。

焦りやすい

新人の時期は、周りと比べて自分だけできていないように感じやすいです。
特に同期がいたり、要領のよい人が近くにいたりすると、焦りは強くなります。

先輩はすぐ動けるのに、自分は考えてからでないと動けない。
同期は利用者さんと自然に話しているのに、自分はぎこちない。
そういう差が気になりやすいです。

でも、介護の仕事は覚えるスピードだけで決まるものではありません。
最初は遅くても、丁寧さや気づく力があとから伸びる人もいます。
逆に、早く見えても雑になってしまう人もいます。

1年目で苦しいのは、自分の成長が見えにくいことです。
昨日より少しできるようになっていても、自分では気づきにくいです。
だからこそ、他人との比較でしんどくなりやすいのだと思います。

焦るとミスが多くなります。

業務を時間内に終わらせるより、安全に終わらせることを意識しましょう。

心がしんどくなる

介護職は体力仕事だと思われやすいです。
それは確かにそうなのですが、1年目は体力より先に気持ちがしんどくなることがあります。

うまくできない自分への焦り。
先輩に迷惑をかけている感じ。
利用者さんの前で失敗できない緊張。
家に帰っても仕事のことを思い出してしまう疲れ。
こうしたものが積み重なります。

特に、まじめで責任感が強い人ほど、仕事が終わってからも頭の中で反省会をしやすいです。
そして、次の日の出勤が重くなっていきます。

1年目で辞めたくなるときがあるのは、気合いが足りないからではありません。
それだけ新しい環境に必死で向き合っているからです。
ここを自分だけの弱さだと思いすぎないことは大事だと思います。

まとめ

介護士1年目が最初につまずきやすいのは、仕事量の多さ、優先順位の判断、利用者さんとの関わり方、先輩への相談、記録と申し送り、自分への焦りなどです。
技術だけではなく、気持ちの面で苦しくなることも多いです。

特に1年目は、できないことばかりが目につきやすい時期です。
でも実際には、その中で少しずつ現場の見方が育っていきます。
利用者さんの様子に気づけるようになることも、先輩に確認できるようになることも、大事な成長です。

現役介護士として感じるのは、1年目でつまずくのは珍しいことではないということです。
むしろ、多くの人が一度は同じようなところで悩みます。

だからこそ、今しんどいと感じている人には、それは自分だけではないと伝えたいです。
つまずきながらでも続けていく中で、見える景色は少しずつ変わっていくと思います。